なぜOS?

 WindowsMacOS XもそしてLinuxもある時代、どうしてまたOSなんか自作するのか。最近はOS製作が流行ってきて理解されつつあるけど、やはり「日曜大工が趣味で、ピラミッド作ってます!」と言うぐらいの滑稽さは感じられるかもしれない。
 でもOSを作ることでしか得られないものはたくさんあると思う。以下に、OSを作ることの意義を書いてみようと思う。

自由

 ファイルシステムとかGUIとかシェルとか、既存のOSには何か物足りないものを感じないか……。そんなビッグ・オーばりに欠けた部分を持ったあなたは自分でOSを作り、己の自由奔放な想像力を満足させるべきだ。

平等

 高価なソフトを買って使っているからプロフェッショナルだとか、超ハイスペックマシンを持っているから偉いとか、そういう世界からOS製作はかけ離れている。コンピュータはお金持ちに対しても貧乏人に対しても、ただ一つの箱として目の前に存在するのです。どんなに金を持っていたって生のコンピュータを動かせるコードは生み出せない。誰であれ自分の知識と根性だけを頼りにするほかない世界だ。
 OS製作はとてもたくさんのことをあなたに(そして誰にでも平等に)求める。

博愛

 コンピュータを動かすにはCPU・メモリ・ディスク・プロセス・スレッド・同期・例外・割り込み・ファイルシステム・デバイス・時計・認証・ネットワーク・タスクスケジュール・ブートなどなど、相手にしなければならないことがたくさんある。コンピュータに関する広く深い知識を得るのには最適だ。低レベルのデバイスを直接叩くような部分から、高レベルのプロセス管理やAPIの設計まで、死角のないスキルが得られる。多分。