青人草

あの日 長い橋を渡っていた 知らない多くの人びとが 長い列を成し 想像上の 現実の 渦にさらわれて 帰り道を 歩いていた

正義はいずれ表現されねばならぬ

ゆがんだレンズで 店長のまぶたは融けて ビルに穿たれた 無数の暗い窓からは 一千億の眼がのぞくのさ ラジオの立てる 断定的な音波 ひどく硬質な文言たちに 店長は融かされていくのさ 誰も見たことのないような 目尻からこめかみへ伸びるしわ 空気をちぎるよ…

骨色の道を歩いた

故郷にかえる道すがら 骨色の道を歩いた 自分の心の 捨て場をさがして